就職してから、創作活動はしていませんでした。
恵まれた環境にいながら甘えてるなあとは思っていましたが、
夢も希望もないような味気ない日々でした。
それでも「こんなことじゃいけない！」と足掻いていました。
たぶん就職して数か月経った頃だったと思います。
部屋の掃除をしていたら、原稿が出てきました。
漫画家のアシスタントをしていた頃、
「物語を創るのが好きなら、漫画の原作に挑戦したら？」
と言われて書きはじめたものの、途中で投げ出してしまった原稿です。
内容はもちろんのこと、書いていたことすら忘れていました。
何気なく読み始めました。
「おもしろい……」
我ながら、そう思いました。
物語に引き込まれて読み進めました。
途中までしか書かれていませんでした。
「この先、どうなるの！？」
というところで途切れていました。
「これ、この先まで書かなくちゃ！」
頭の中に、その先の物語があふれでてきました。
世界が再び色を取り戻した瞬間でした。
「私、また出来る！ 創作活動が出来る！」
無宗教なのですが、この時は、
「神様ありがとうございます！」
と思いました。
私は「書く」という創作手段をつかみました。
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