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思うこと

「正しいこと」が「正解」とは限らない

投稿日:2021年10月10日

とかく人は第三者的な立場から、他人のことを批評しがちです。

「あんなことをするなんて信じられない」「あれは間違っている」など。

でも状況によって、「正解」は違ってきます。そして確かな「正解」なんて、無いのかもしれないとも思います。

今回は、ある状況において誰が正しくて誰が間違っているのか、正解はなんなのかを考える練習をしてみましょう。let’s think!



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ある空腹の青年

ある青年がいました。

数日間、何も飲み食いをしておらず、お金もなく、ふらふらで意識が遠のくほどでした。

歩いていた道端に露店がありました。

そこに並べられていたのは、パンと飲み物。

空腹で食べ物のことで頭がいっぱいになっていた青年は思わず、お金も払わず、お店の人に断りもせず、そのパンと飲み物に手を伸ばし、一気にたいらげてしまったのです・・・。

怒る店主と謝る青年

青年がお金も払わず売り物に手を伸ばしてたいらげる様子を、露店の店主は見ていました。

青年が食べ終えて、落ち着いたのを見て、「1,000円です」と値段を告げました。

青年は、そこでハッと我に返ります。お金は持っていません。

もちろん、青年は元々、お金も払わず売り物に手を伸ばすような人間ではありません。

お金を払わないのは盗むことだとわかっています。

しかし、非常事態でした。空腹過ぎて、頭が正常に働かず、盗んでしまったのです。

青年がお金を持っていないことを知ると、店主は怒り始めました。

青年は必死に謝りましたが、店主の怒りはおさまりません。

お金ができたら払いに来るとも言いましたが、店主は青年の言葉など信じられないと言います。

パンと飲み物代は大金ではありませんでしたが、店主は警察を呼ぶと言い出しました・・・。

 

さて、ここで、let’s think!

空腹で、思わず売り物を盗んでしまった青年。あとで返すと言っているのに許さない店主。

悪いのは誰? または正しいのは誰?

様子を見ていた通行人が登場

青年と店主のやり取りを、通行人が見ていました。

そして、警察を呼ぶと言い出した店主に「そこまですることはないじゃないか」と意見を言いました。

「青年も反省している。代金は後で払うと言っているじゃないか」と。

しかし店主は、「後で払うのではダメだ。今払ってくれ」と言います。

謝り続ける青年。

口は出したけれど、立て替えてあげようとはしない通行人。

盗みは許さない、警察を呼ぶという店主。

 

let’s think!

どんな事情があろうとも、青年は許されてはならない? 意見されても盗みを許さない店主は間違っている? 立て替えてあげようとしない通行人は間違っている?

通行人の所持金は?

許してあげろと言い、立ち去らない通行人に店主は言いました。

「そんなに言うなら、お前が立て替えろ」と。

さらに「お金がない青年に、いくらか恵んであげたらどうだ」と。

パンと飲み物代は1,000円でした。

通行人の所持金は3,000円。

パンと飲み物代を立て替え、青年がとりあえずあと一食は摂れるように1,000円出しても、自分用に1,000円残ります。

しかし、お金を出すことを拒否すれば、自分のお金としての3,000円は減りません。

1,000円あれば、今日1日は過ごせるかなと思いつつ、多めに3,000円くらい持っておけば安心です。

通行人は店主の提案に対して「出せるお金は持っていないので、払えません」と言いました。

 

ここで、let’s think!

3,000円あるのに、お金を出さない通行人は間違っている? お金を出す気がないなら、口も出さないほうがいい?

盗みはいけないことだから、許さない店主は正しい? それとも、青年があとで払いに来るまで我慢するべき?

店主にも事情があった

さて、頑なに盗みを許さない店主にも事情がありました。

養っている妻子のために、日銭を稼がなければならなかったのです。

店主は美味しいパンをお客様に食べてもらうため、丹精込めてパンを焼きました。

パンの評判が良ければ、商売が大きくなることも夢ではないと思っています。

店主は妻子のためにも、もっと稼げるようにならなければならないのです。

なのに、店を開いて最初の客が泥棒。

店主にとっては1,000円だって大金のため、代金は払ってもらう必要がありました。

・・・と、このような事情なら「店主、男気ある! 許さないのは正しい!」と思えるかもしれません。

 

しかし、店主の事情が次のようなものだったらどうでしょうか?

 

店主が店に並べていたパンや飲み物も、盗んできたものでした。

盗んだものを手っ取り早くお金にするため、露店を開いていたのです。

店主は盗みのプロで、いつも同じような手口で盗んだものを売っています。

 

・・・どうでしょうか? 「店主のほうこそ、ドロボーじゃないか!」って感じですよね。

状況によって判断も変わる、「正解」も変わる

世の中にはさまざまなことが起き、周りの関係ない人間たちは事情も考えず、無責任に善悪を決めがちです。

しかし人は、わかってはいても追い詰められると悪いと思っていることをしてしまうこともあります。青年が盗みを働いたように。

それは別に「許してあげなければいけない」とは言い切れません。

が、事情も考えず、善人ぶって正義を振りかざすのもどうかと思います。

だって、「正しい」ことが必ずしも「正解」とは限らないのですよ。

そして、正論を突き付けるほど、人を傷つける攻撃にもなってしまうのです。

正しいことを言っているだけのつもりが、加害者になってしまうかもしれません。

 

今回のような例ではなくても、世の中には見方を変えると解釈も変わることばかりです。

だからこそ、いろいろな状況や立場を想像力を駆使して、自分の頭で考えることが、とっても大切だと思います。



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