漫画家になる以外、考えられなかったので、
就職してしまったら時間がとれなくなって描けなくなる……
と思い、就職することに躊躇していました。
専門学校の先生が、漫画家さんのアシスタントの仕事を紹介してくれました。
ここで、考えてみると不思議なことがあるのですが、
私はこの話に飛びつかず、どうしようかと悩みます。
漫画家を目指しているのなら、プロの漫画家さんのアシスタントをして勉強しながら、自分もプロを目指すという形は理想的なはずなのに。
「自分の作品を描き続けたいな。他の人の漫画の手伝いは面倒だな……」
などと思ってしまったのです。
どうしよう、どうしよう、
と悩みながら、夜、自宅で借りてきた映画を観ていました。
出てきたセリフにハッとしました。
『与えられたチャンスは必ずつかめ。チャンスはいつでもあるとは限らないからな』
悩んでいると、目の前に答えが示されることがあります。
「アシスタントが出来るチャンス、逃しちゃいけない。アシスタントをやろう」
私は決意しました。
「ホテル・ニューハンプシャー」この時、観ていた映画です。