誰かの存在を「価値がある、ない」で考えたくはないですが、その人が存在していることの意味は、一方からだけ見て決めることはできません。
一方ではまるで評価されない、しかしほかの誰かにとっては無くてはならない存在であったり、「恩人」であったりすることがあるのです。
前から思っていたことではありますが、今回は、最近あらためてそれを感じたエピソードを綴ります。
「自分の存在価値なんてないのではないか」と思っている方は、ぜひ読んでみてくださいませ。
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目次
仕事ができなすぎる責任者
派遣のお仕事でのエピソード。
私たちスタッフが就業するより前に、スタッフたちをまとめる責任者が派遣先に就業していました。あとから入る私たちスタッフの指導役として、かなり期待されていたそう。
ところが仕事が始まってみると、驚くほど仕事ができない。
できないなりに頑張っているのならまだしも、仕事中に居眠りしている。
担当者が何人か変わって指導しても、変わらない。上司に呼び出されて注意を受けても変わらなかった。
そこに、なにも知らない私たちが就業しました。
去っていった責任者が”恩人”に
責任者は私たちスタッフの指導役にはなりませんでした。”ならなかった”というより”なれなかった”というほうが正しい。
悪い人ではありませんでしたが、仕事内容が合わなかったのかもしれません。
そして、無責任なことに、繁忙期前には辞めてしまいました。
私と一緒に就業したスタッフは、バラバラの指導者につき、そして人手不足もあってか、指導者に恵まれなかったスタッフは、辞めていきました。
責任者がしっかりしていたら、私たちはもっと仕事がやりやすかったはず。
しかし、繁忙期が終わるまで就業していたスタッフは言うのです。「私にとっては恩人だから、悪くは言えない」と。
そのスタッフは、就業したものの担当の指導者に恵まれず、業務になじめず、早々に辞める決意をしていたそうです。
でも、そんなとき責任者との面談があり、相談をしたら、やりやすいチームに異動させてもらえた。それが無かったら続けられなかったと。
仕事をまともにやろうとせず、無責任にも繁忙期前に辞めていった責任者は、職務的には評価されませんでしたが、あるスタッフにとっては「恩人」なのです。
さらに、責任者が辞めたことで、繁忙期の職場の雰囲気が変わりました。ピリピリムードが、ソフトなムードに。
想像ですが、この流れで繁忙期にこれ以上スタッフに辞められたら困る、派遣スタッフにやさしくしなくちゃ、という話し合いのようなものがあったのではないでしょうか。
実はピリピリした雰囲気に耐えられず、辞めることを本気で考えていた私。ある意味、責任者が辞めたことで救われたともいえます。
やさしく指導してもらえたことが低評価に?
私は繁忙期を終えた今でも、残っています。残っているのが良いのか悪いのかはわかりませんが、とにかく残っています。
「辞めよう」と本気で考えていたときに、職場の雰囲気が変わったこともありますし、担当指導者に恵まれ、やさしく対応してもらえたおかげでもあります。
ほかのスタッフたちが、満足に教えてもらえず辞めていく中、私はやさしく丁寧に教えていただけました。
「運が良かった」と思ったりもしますが、本当のところ、「運が良かった」だけでは片づけられない、幸せなこと、感謝すべきことと思っています。
しかし、やさしく指導してもらえた、その指導の仕方が「良く思われていない」と、指導者本人から何度か聞きました。
「他の人が厳しく指導する中で、自分の教え方は甘すぎた」と。
確かに、ほかのスタッフたちは、私ほど丁寧にやさしく対応してもらえていなかったので、そのせいで辞めたのかもしれません。しかし私にとって、その指導はありがたく、そのおかげで今までやってこられた。
その指導が、良く思われていない、つまり低評価?
大げさになってしまいますが、私はやさしい指導に救われました。感謝しかありません。
しかし一方で、その指導は評価されるどころか、低評価……。
自分が救われた分、申し訳ない気持ちになっています。
一方からの評価で決めつけないこと
今回のエピソードのように、物事はひとつの方向から見て、その評価を決めることはできないなあと、つくづく感じています。
自分から見たら価値がないようなことでも、別の方向から見たら、ものすごく価値があることなのかもしれない。
多角的な視点を持つこと、大切。
誰かの評価だけで、そのことの価値を決めないこと。自分の目で、心で、確認してみること。
同時に、自分の判断を過信しないこと。場合によっては、少し疑うこともしてみること。他者の意見も参考にしてみること。
世の中には様々な価値観があり、必要とされることも多様で、短絡的にそのことの価値を決めつけてしまうことは大変危険です。
もしも「自分なんて、何の価値もない」などと思ってしまっている方がいたら、「そんなことはないよ、価値が無い存在なんてないよ」と伝えたいです。
「コンプレックスだと思っていることが、落ち込んでいる相手の心の隙間に入っていって元気づけることにつながる」というお話を、障がい者支援施設の責任者から伺ったこともあります。
こちらのインタビューも、よろしければ読んでみてくださいませ。
ライター、タロット占い師、ムビラ弾き♪
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