入院前は、がんばっているつもりなのに、なぜか空回りばかりしている日々でした。
自分では、やれることを精一杯やってつもりでいるのに、なにも手応えを感じられない。
例えるなら、チェーンが外れた自転車に乗っている感じ。
必死にペダルを漕いで「ふ~、だいぶ進んだかな?」と周りを見渡すと、元の場所にいる。1ミリも進んでいない。
一緒にスタートした友だちが一回りして戻ってきて、
「あれ? 早かったね」
なんて声かけられて、
「ううん、ずっとここにいた」
みたいな。
がんばりどころが違うのかもと思ってみても、だったらどうしたらいいのかもわからず。だって、良かれと思うことをやっているので。
手応えがないだけならまだしも、誠意を持ってがんばってきたはずが、
「なんでこんなことに」
と思うことすら起こっていました。正直、入院前はクタクタなうえ、発狂しそうでした。
そんな「空回りの日々」が入院・退院を経て「手応えのある日々」になった経験を綴ります。
今、書ける範囲で、特に仕事に関してのこと。
少しでも何かの参考になれば幸いです!
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目次
障害者手帳で仕事が見つかる?
2020年6月に退院して、少しでも仕事をしようと思いました。
今よりヨロヨロしていて、家の中を動くだけでも汗だくのような状態でしたが、在宅ワークで少しならできるかと。
入院中に障害者手帳をもらったので、それで仕事が見つかるかもと思いました。
早速、地元のハローワークに問い合わせましたが、最初は「窓口まで来てください」と言われました。
「行くのが大変だから、障害者手帳なんです」
と訴えると理解してもらえて、郵送でやり取りをして、いくつかの企業を紹介してもらえました。
履歴書を送りましたが、サクッと不採用。
障害者のための転職エージェンシーにも登録しました。
登録時にはWeb面談もして、担当者の方といろいろ話しましたが、その後、連絡なし。
障害者雇用について思ったのは、同じ障害者といっても、体の障害というより「少し認識が甘い」というような知的な障害者のほうが雇用されやすいのではないかということ。
在宅ワークであっても、「定期的に本社まで行く」などが条件では、体が不自由だと難しいです。
求める条件にWebライターが合致した
私が求めている条件は「納期までに納品すれば良い」というものでした。
というのは、退院してから毎日のようにヘルパーさん、訪問介護、訪問リハビリ、往診の出入りがあり、スケジュールが定まっていなかったからです。
なので、在宅ワークであっても「何時から何時までは机の前にいてください」というような仕事ではNG。
いつ仕事するかは自由で、納期までに納品してもらえればOKという仕事を求めていました。
そこで思いつきました。「障害者手帳は関係ないけど、入院前にやっていたWebライターが求めている条件に合ってる」と。
入院前のWebライター仕事について
2017年からWebライターを始めました。
成功している方たちの体験談を読み、
「書くことはやってきたし、これならいけるかも!」
と思ったからです。
朝、目を覚ましてパソコンのスイッチオン。食事の時間以外、ほぼ毎日、寝るまで仕事の日々を送っていました。
それで(入院のきっかけにもなった)ストレートネックが悪化したともいえます。
さまざまな案件、ジャンルを引き受けて、必死に書き続けましたが、成功している方たちのようにうまくはいかず。
2年弱程、専業でやり、生活費が厳しくなってきたので、半分派遣仕事を入れることにしました。
派遣仕事を入れるということは、Webライターに挑戦したけど失敗したことを認めるように感じましたが、仕方ない。ちっぽけなプライドなんてどうでも良くて、とにかく生活しなければならないので、とりあえず兼業しようと思ったのです。
派遣を始めたら、その仕事も仲間と働くのも楽しいものでした。ストレスもありましたが。
継続していたWebライターの仕事も契約終了を迎え、入院前には派遣仕事のみになっていました。(その後、緊急入院のため派遣も契約終了に)
Webライター界も変わっていた
仕事をする時間の縛りはなく、納期までに納品してもらえればOKの仕事って「Webライターだ」と思い付いた私は、久しぶりにクラウドソーシングのサイトを覗いてみることに。
コロナの影響もあってか、Webライター界も変わっていました。
まず、在宅ワークをしたい人が増えて、条件が良い案件の競争率が爆発的に上がっていたのです。
そして、募集をしているクライアントさんにも変化がありました。
入院前はアフィリエイターさんが多かったのが、ほとんど法人(株式会社など)ばかりになっていたのです。
高い競争率にめげずに応募すると、何社かと契約することができました。
応募者のほとんどがあまり実績がないなかで、私には入院前に積み重ねていた実績があったからです。真摯に仕事に取り組んできたので、評価も良かったのが幸いしました。
今まで、がんばっているつもりが空回りばかりしてきたのに、コツコツ真面目に実績を積んできたことでお仕事いただけるようになったという、、、
がんばってきたことが実を結んだ出来事でした。
丁寧に取り組んだことが高評価に
Webライターとして稼ぐなら、「量をこなす」という説があります。
単価がそれほど高くない案件しか取れないならばなおのこと、量をこなさなければ稼げません。
しかし、この「量をこなす」ことが苦手。
入院前から、じっくり丁寧に取り組みたい派だったので、速さ勝負の仕事はできませんでした。
もちろん、丁寧かつスピーディーに大量こなせる方もいると思いますが、「私には無理~」と入院前からパソコンの前で崩れ落ちていました;
退院してからはリハビリをしながらなので、全力投球で仕事をこなすことはできず、さらにスピードが出せない状態に。
無理をして体調を崩したら元も子もない。そもそも体調を崩した原因は「がんばり過ぎ」だったと思うので、受注量を減らすことにしました。
少ない仕事を丁寧に丁寧にこなすようにしたのです。このほうが性に合っていました。
その結果、「仕事が丁寧」が良い評価につながることに。
ここでも、がんばったことが認められるという手ごたえある結果につながったのです。
何年かWebライター界に携わっていて思いますが「仕事が丁寧」なことは本当に大切。
間違いは誰にでもありますが、調査不足の執筆、一度見直せば気づける誤字脱字ばかりでは、信用を失ってしまいます。
ライターから校正・校閲に
Webライター界に携わってから、構成だけのお仕事も受けたことがありますが、ほぼライティングのお仕事をしてきました。
退院してからもWebライター募集の案件に応募していたのですが、ライティングをこなしながら、ふと「ライターよりも、記事をチェックするほうが得意かもしれない」と思いつきます。
整えたり調べたりすることが好きだからです。
そこでWebライターだけではなく、校正・校閲のお仕事も受けるようになりました。
そして今では、ほぼ校閲のお仕事のみとなっています。
ここにも、構成・ライター仕事の経験を持ち、それまでチェックされる側の立場だったことが大いに役立っています。
つまり、きちんとやってきたことが実を結んでいるのです。
今までは、空回りしているだけだったのに。
現在は、信頼できるクライアントさんのお仕事をいただけています。
ヘルパーさんとも「(望んでいたような)在宅で良いお仕事いただけるなんて、幸せなこと」と話しています。できることを精一杯やって、力になれるなんて、本当に幸せ。感謝。
リハビリ生活が長所を活かすことに
これは仕事とは関係ないのですが、リハビリをしていることが、持ち前の性格を最大限に活かすことにつながっているように感じます。
退院してからもリハビリに励んでいますが、入院中から今まで「前向きですね」と何度言われたことか。
「私だったら毎日めそめそしてしまう」「そんなふうに、がんばれない」
前向きになろうとしているわけではありません。
良くなりたいだけです。良くなることしか考えていません。
そして、「努力家ですね」とも言われます。
周りの人たちもみんな、がんばっているように見えるのに。一際がんばっているつもりもないのですが。
歩けるようになりたい一心で、近所を歩いていると、「がんばれ!」「あなたを見ると、元気になる!」と言われたりします。ありがたいことです。
「看てきたなかで、一番の努力家で有言実行ができる人です」と入院中の担当看護師さんに、
「利用者さんのなかで、一番回復してる」と通所リハビリで言われました。
今まで縁がなかった「一番」を、リハビリでもらえることになるなんて。
リハビリをするようになり、我ながら自分の楽天的なところに助けられています。
入院前は自分はネガティブな人だと思うこともあったけれど、これが本当の自分という気もします。
リハビリ生活はそれはそれは大変で、早く良くなるぞと思うけれど、退院後の私は生まれて初めて自由に自分らしく生きられています。強がりではなく、とっても幸せです。
リハビリ生活が、私の長所を最大限に活かすことにつながっているのかもしれません。
こんなふうに、入院前だってがんばっていたつもりが空回りしていたのに、同じ気持ちでがんばっているだけで評価されるようになりました。
理由1:時代が変わった
さて、空回りしているばかりが手応えあるようになった理由について、いくつか挙げてみます。
風向きが変わった、自分の心構えが変わったなどがあるのだと思いますが、きっちりとした答えが分かっているわけではありません。
なにかが変わることで流れが変わるみたいな、目に見えないものがあるのかもしれないですね。
とりあえず思いつくことを挙げます。
まず、時代が変わったというのがあるかと。
占星術的には、2020年12月22日に「土の時代」から「風の時代」になったそうです。
6月に退院して6か月後、確かに時代が変わったと感じました。
変わる前の時代の価値観は、自分に合わないと感じていました。
なんとなく居心地が悪いと思ってきたのです。
それが時代が変わって、俄然心地良く暮らせるように。
この時代の空気のほうが、自分に合っていると感じます。
ちなみに「妄想人間か!」と突っ込まれそうですが、自分は「風気質」だと思っています。風となら会話できたと感じたことがあったから。(人間は自然のなかの存在なので、自然のものの気質を持っているという説があるそうです)
だから風の時代が合ってるのかも?
理由2:入院して浄化された?
入院生活を7か月間送りました。
途中でコロナで世界が一変し、面会謝絶になり、鎖国のようになった病院で患者さん仲間たちと語り合いながら過ごしました。
入院当初は早く退院したいと思っていましたが、途中から「入院生活を満喫しよう」と思うように。
ある意味、とてもやさしい世界の入院生活を体験することで、浄化されたというのはあるかもしれません。
俗世間から断絶された入院生活を送り、浄化されたという知人たちの体験談を聞いたことがあるので紹介します。
知人Aの体験談
退院してから、モノの気みたいなものを感じられるようになった。
特に洋服。
「これは良い」「これは気持ち悪い」
と手に取っただけで感じるので、片付けがはかどっている。
知人Bの体験談
入院して浄化されたせいか、感受性が鋭くなり、電車で乗り合わせた乗客の顔が、その人の心を反映するような動物に見えるようになった。
例えば、ずるがしこい人がハイエナに見えるというように。(たまたま乗り合わせただけの知らない人たちなのに、怖い;)
私の場合
緊急入院、寝たきりになるという異常事態にいたため、起こったと思うことも妄想・幻想だったのかもしれません。
でも、とりあえず起きたことをお伝えしておくと、一時期、異常聴覚(耳が異常に良くなる)を身につけ、看護師さんのオーラが見えるようになっていました。
(余談:そういえば伊勢神宮から東京駅に戻ってきたとき、天国から下界に来たような感覚を覚えたことが。)
理由3:片付けをし続けて、思考がクリアに
入院前から片付けても片付かないを繰り返していましたが、退院後に一念発起して片付けをスタートしました。
いつも「これ以上、片付けるところはないけどスッキリしてない」を繰り返していましたが、今回は納得するまで片付け続けることに。
現在、退院して2年半以上経ちますが、いまだに片付け続けています。
まだ完ぺきではないですが、片付け続けてきたなかで、思考がクリアになってきました。
悩んでいたことも自然に消滅し、悩むこともなくなりました。というか、解決しない悩みを抱え続けることはなくなりました。
こうなってみると、これが本来の自分の気がします。
そんなにゴチャゴチャ悩む必要がないことを悩むタイプではなかったのに、頭が混乱しすぎて、自分らしさを失っていました。
また、元々、カンが働くほうと思っていましたが、入院前は混乱しすぎていて、簡単な判断すらできなくなっていました。
最近はカンが戻ってきたようです。
部屋の中の状態は、頭の中とリンクしているように思います。
私のように片付けが苦手な場合は、諦めずに時間をかけて取り組むと良いかもしれません。焦ると、処分したことを後悔してしまうかもしれませんしね。
また、自分としっかりと向き合い、片付けられない理由に気づければ、生きることがぐんとラクになるかもしれません。
まだ道の途中
空回りばかりだったのが、手応えを感じられるようになりましたが、普通に過ごしていると、「空回りばかりしてしまうタイプ」が理解できないかもしれません。
現に今の私が「空回りばかりだったころ」のことがよくわからないからです。
あのころは本当に生き苦しかったのですが、それは本人にしかわからない感覚なのかも。
実は、上記した理由のほかの大きなこととして「身内との関係」があります。これは簡単に書けないので、また語れるようになったらお伝えします。同じような悩みを持つ方たちの参考になるかもしれないので。
そして、手応えを感じるようになったとはいっても、まだまだ道の途中です。
リハビリ生活は続いていますし、仕事もどう変化していくかわかりません。夢も果たせていません。
身軽に、思考をクリアにして、カンを働かせ、自由に自分らしく生きて、ここは今まで通り、愚直に誠意を持って何事にも取り組み、上手にさまざまな変化の波に乗っていけたら良いなと思います。
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